YOKOHAMA♥ANNIVERSARY

横浜・東京を中心に、みんなの素敵な記念日紹介と、心に残る素敵なスポットをご紹介します♪ディナー・ランチ・ホテル・プレゼントなど、記念日に使いたいそんな情報を発信していきます♪

「すべての庭をオーガニックに」Organic Garden記念日!

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「庭を造るからには、その空間自体が更に生物層が豊かに。更に環境が良くならなければやる意味がない」そう語る、造園業ではまだまだ珍しい女社長、Q-GARDENの小島理恵さんに記念日取材してきました!早速ですが小島さんの大事な記念日教えてください。

「Organic Garden記念日!」です。

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 ー農学部に進学していますが、元々造園業界に興味があったんですか?ー

あまり大きな声では言えませんが・・実は信州大学農学部しか受からなくて。家族も造園に関係する職業ではなかったので、出会いは偶然でした。当時校舎のあった伊那の自然豊かな環境の中で学ぶうちに、むしろ「造園業界には就職したくない」と思っていたくらいで。

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ー独立を考えたきっかけって何かあったんですか?ー

大学卒業後、造園関係の会社に就職して営業や空間デザイン的な領域まで行っていました。今って男女雇用機会均等法じゃないですか。でも当時は体制が古くて上司に「結婚するなら1年以上前に報告してね」と言われてしまった。そこから、なんとなく独立することは常に頭にあって。やりたいことやるなら、自分でやるしかない。みたいなところからです。

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ー造園業といっても幅広いですが、小島さんの主な分野教えてくださいー

お庭の設計・施工・管理です。中でも植物の管理、竣工後のケアに力を入れています。お庭って、造ってからがスタートなんですよね。どれだけ綺麗に造っても、その後維持が出来なければ意味がなくなってしまう。

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ー確かに・・生活スタイルによって、お手入れをする環境も違いますよねー

そうなんです。例えば、子育てやお仕事をしていて手入れをする時間が限られている方と、お庭が大好きでそのために時間も使える方であれば、同じ敷地でも植える植物の種類や植え方を、その方にあわせて組み合わせなければ一時で終わってしまう。だからまずはお客様のご要望と、生活スタイルにしっかり耳を傾けることが実はとても大事なんです。

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ーううん、なるほど!実際、どんなお客様とのお付き合いが多いんですか?ー

一般のご家庭の方が多いですが、星の王子様ミュージアムのお庭やミッドタウンのボタニカも私達で手がけています。今日もボタニカでレタスなどを植えてきたんですけど(笑)現状を維持すると言うよりは、更に良くすることが大事なので、ボタニカには最盛期には週1回スタッフを派遣して植物の状態をチェックしたり、花がら摘みをするなどの作業をしています。今年からはマンションの緑地管理のお仕事もはじめました。

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ーマンションですか?何か時代の流れや兆しがあるんでしょうか?ー

そうですね。今、グリーンが豊かな方が資産価値が上がるじゃないですか。結構住人の方の関心が集まってきていて、例えば昔のサツキを植えたまんまできちゃったけども、おしゃれに変えたい。とか。配管など設備を変えるとなると、大きなお金がかかっちゃいますけど、植物はそれほどはかからずに、イメージをガラッと変えられるんですよね。うちだと、皆さんと一緒に参加してもらいながら手入れをしたりすることなども出来るので、「住民参加型」で、みんなで緑を増やしていこうていうスタイルも可能です。

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ー偏見かもしれないんですが、職人さんて黙々と自分の仕事をしているイメージがあったので、触れ合いながら作っていくスタイルは珍しい気がしますー

そうかも。職人さんって知識も経験も豊富で素晴らしい。でもコミュニケーションは苦手な傾向があるんですよね。先程のお客様の声に耳を傾けることもそうですが、そここそが私達の得意なところなんです。これからのガーデンは、「職人が造る」ではなくて「一緒に造る」「手を入れ続ける」ではないかなと。出来る限り化学農薬・化学肥料を使わずにオーガニックに拘り、一般の方に向けたブログや出版、商品プロデュースをする、お庭作りのワークショップを開くのもそういった理由が隠れています。

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ーお客様の話に耳を傾けるって具体的に、どのようなことに気を使っているんでしょうか?ー

その方の生活スタイルを把握して、よき相談相手になることかな。例えば、主婦の方でいつも台所にたっている。その目線の先にある窓は気になるからカーテンを閉めてしまっている。ちょっとしたことでも、その人の生活スタイルによって気になっている箇所などが変わってきて、植物の在り方も変わる。だから、まずはお客様が要望だけでなくネガティブな部分も打ち明けやすくするために、「話しやすい」空気を作って相談相手になることがすごく大事だと思いますね。この業界は職人の世界ですから、みんな聞けば親切に教えてくれますが、なかなか自らコミュニケーションをとることは苦手な部分です。よく「造園業界は、最近仕事減ってきた」なんて声を聞きますが、それは違うと思う。時代にあわせて私たちも変わらないと。それが今は「一緒に造っていく」ということも、そういうことの一部かもしれないですね。

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ー小島さん、造園業の在り方だけでなく、新たな働き方も提案していますよねー

そうなんです。今、一緒に働いてくれているスタッフのほとんどがフリーランスの方です。古い言い方で言えば「一人親方」。それぞれ自分のお客様もありながら、Q-GARDENの仕事をしてくれている。男性も女性もそれぞれが自分の働き方をデザインしているんです。もうトップダウンじゃないですよね。これからは「個」の時代だと思いますので、こういった働き方があってもいいし、時代にあっているなと。もちろん、みんなプロという条件は大前提ですが(笑)

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ー新しい!ただ、働く方も個が前面に出る、身ひとつって言うのは覚悟がいりますし、経営者としても導入するのはとても勇気がいる働き方だと思いますが・・ー

そうですね。実は、横浜市は女性の起業や働き方に対してとても積極的です。私自身、横浜女性起業家スクエアのメンバーなんですが、様々な経営者や志高い方と交流すると、これからは男性だけでなく、女性も働き続けていく時代じゃないかなと。でもそうなるには、従来の会社に依存する働き方では難しいかなと。女性がしっかり稼げることはもちろん、結婚や出産で「仕事をセーブする」ではなく、個々の生活スタイルにあわせながら、新たな働き方を提案し女性の持つ器用さやポテンシャルが最大限発揮ができる形が作れればなあ。と思い、この働き方を導入しています。小さな子供がいたりして、フルタイムで働くことが難しい人でも「ガーデンの仕事がしたい!」という思いのある人には、できる限り、働ける場を提供したい。そんな思いもあります。

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ー個で働き方をデザインするのは魅力的ですが、管理するのがとても大変そうですー

そう、個が強くなると管理が色々大変。例えば、実務的なことをあげると・・・皆様々な現場で作業を行っているので、それぞれの作業進捗を把握することが必要なんですが、従来のように紙で書いたり、電話での報告にすると、それだけで時間がかかりますし、電話だとタイミング悪く繋がらずに結果把握できない。なんてことがありました。特にご結婚されていたり、お子様がいらっしゃるとその時間を確保すること自体もったいないじゃないですか。ならば帰宅途中にスマホでできないか。と思い作業進捗もこのように、すべてグーグルのシステムを使ってクラウドで管理をしています。

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ーうーん!常に新しいことに挑戦しているんですね!ー

そうかも、時代は変化するもんね(笑)でも変わらないものもありますよ。例えば、この道具。もう10年くらいこの4点セットをいつも腰に身につけて作業しています。高価なものも沢山試しましたが、結局普通にホームセンターで買える道具が一番使いやすかった。どれも1000円~5000円くらいでお手軽なんですよ。そして、造園業への信念というか想いは変わらないですね。

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ーぜひ、仕事に対する想い、教えてくださいー

「すべての庭をオーガニックに」庭を造るからには、更にいい環境を。その空間自体が更に生物層が豊かに、更に環境が良くなる。そんな仕事をしていきたいですね。

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ー小島さんにとっての、記念日とは?ー

うーん、記念日って難しいよね。人間、ドラマみたいに「こうなりたい」て具体的な夢があって形になるもんでもないじゃないですか。ワクワクすることなんてほんと少ない(笑)大変、辛い、逃げたいことばっかりなんだけど、失敗をたくさん重ねてきながら色々なことを挑戦してきたら自然と繋がってきた感じ。今日取材で使わせて頂いているBADAI BASEも、2015年10月にOPENしたばっかりなんですが、ご縁があってこちらのお庭をすべて設計させて頂きました。記念日ってすぐにピンとはこなかったんだけど、振り返ると、起業をしていなければ今出会ったすべてのことはきっとなかったかなと思います。私にとってこの記念日は、はじまりの日なのかな。

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ー長時間、ありがとうございました!終始、飾らずに自然体。正直で行動力がある。造園業の在り方や、働き方に疑問を持ち、自らが挑戦することで一つの形を提案している。最高に格好良く、刺激をたくさんもらいました!ー

 

 

【Q-GARDEN】

q-garden.com

小島さん庭設計!BADAI BASE

www.badai-base.com

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【YOKOHAMA ANNIVERSARI企画・編集】

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